東京の日本橋に生まれ、少年の頃から西洋の銅版画に魅了された駒井哲郎(1920-1976)。1950年代初めに清新な作風で一世を風靡し、戦後日本における銅版画の先駆者として、技法と表現の可能性を探求し続けました。「夢こそ現実であればよい」という願望を抱いていた駒井は、まるで夢と現実の狭間を散策するかのように、瞼の裏に浮かぶ夢や幻想を、繊細な感性で現実の版に刻んでいきます。また文学にも造詣が深く、詩人との協同作業により取り組んだ詩画集では、言葉との格闘を経て生まれた豊穣なイメージが展開されています。深い思索と自由な精神で、夢と現実が交錯する詩的な世界を描き出した駒井の作品は、没後40年を経た今日もなお、観る人の心を静かに揺さぶります。
当館では、平成4年度より数回にわたってホダカ株式会社、株式会社マルキンジャパンからご寄贈いただいた駒井哲郎の作品を約100点所蔵しています。本展では、このコレクションを中心に初期から晩年までの足跡をたどり、影響を受けた美術家にも触れながら、駒井哲郎の魅力に迫ります。
その他の出品作家:オディロン・ルドン、パウル・クレー、ジョアン・ミロ、恩地孝四郎、長谷川潔
会期
2017年9月12日 (火) ~ 10月9日 (月・祝)
休館日
月曜日(9月18日、10月9日は開館)
開館時間
10:00 ~ 17:30 (入場は17:00まで)
観覧料
一般1,000円 (800円)、大高生800円 (640円)
※( ) 内は団体20名以上の料金。
※中学生以下、障害者手帳をご提示の方 (付き添いの方1名を含む) は無料です。
※併せてMOMASコレクション (1階展示室) もご覧いただけます。
主催
埼玉県立近代美術館
協力
JR東日本大宮支社、FM NACK5
出品作品リスト
関連イベント
講演会「駒井哲郎と書物の世界」
装丁や挿画など、駒井哲郎と書物との関わりについてお話しいただきます。
講師:堀江敏幸(作家)
日時:9月16日 (土) 13:30〜15:00 (13:00開場)
場所:2階講堂
定員:100名 (当日先着順)/費用:無料
担当学芸員によるギャラリー・トーク
本展覧会の担当学芸員が展覧会の見どころをご紹介します。
日時:9月18日 (月・祝)、9月30日 (土) 各日とも15:00〜15:30
場所:2階展示室
費用:企画展観覧料が必要です。
【スライドトーク】ご希望のグループにスライドを使って本展覧会の見どころをご案内します (予約制)
お問い合わせ・ご予約は教育・広報担当 (電話048-824-0110) まで。